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水響庭Blog

日々、思いつくまま書き連ねて行く駄文妄想blogです。 One piece/12、進撃の巨人/エルリその他を亀更新していきます。 作品はシリーズ毎のカテ分けになっています。 現状はOne piece、進撃の巨人のみになります。話は基本R15、R18を含む流れになりますので、苦手な方はご注意下さい。

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冬島(11)

CP/マルエー
意味深な朝風呂を勘繰られ、普段しない行動を家族にからかわれるエース。エースはみんなから構いたいと思われる存在です。
話はエースに戻ります。

拍手[5回]

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浴場から出たエースは、今日一日何をしようかと考えていた。
非番といっても、陸に行けない以上は船内で出来ることも限られていて、特にしたいことも思いつかなかった。
エースは防寒着を取りに部屋に戻ると、そのまま甲板に出ることにした。

今月の当番表では、今日の朝番は3番隊と5番隊になっている。
1番隊は中番の予定なので、本来であればマルコは昼から隊務に入るはずだ。
マルコはモビーディック号において、実質白ひげの次に指揮を執る立場にある。何かあった場合はみな取り敢えずマルコに相談し、白ひげに報告して指示を仰ぐかどうかを決めているため、マルコは非番でも何かしらの仕事をしているのが常だった。
今日は朝までエースがマルコの部屋を占領してしまっていたので、まさかとは思ったがエースの部屋にもいた痕跡がないところを見ると、もうすでに船内のどこかで動いているのかもしれなかった。

エースはマルコに出くわす可能性を考えると、手足の末端に淡い緊張が走るのを感じた。
いくらモビーディック号が巨大だといえども、所詮は船だ。マルコと会わずにいるには、船から出るしか方法はない。
昨日の情事については、自分の中で一旦区切りはつけたものの、実際マルコに会ったら平静を保っていられる自信がまだなかった。
エースは今日一日、マルコの目に付かないように出来る限り目立たない行動をしようと決めて、甲板に出た。

甲板では既に多くの隊員が作業にあたっていた。吹雪で船首に固まってしまった氷塊を砕く者や、雹やつららで損壊した部分を修復する船大工など、朝から忙しなく作業をしている。
天候が良い時は、当番でも非番のように暇なときもあるくらいなのに、ここ数週間は全員サボる暇もなかった。
今日まで当番に関係無く引っ張り出されて疲れていたはずなのに、休んでいる自分が申し訳なくなるくらいみな真面目に働いている。

エースは様子をみようとこっそり船首の方へ歩み寄ったが、作業中の隊員に早速捕まってしまった。
「エース!こんな朝早くから起きてるなんて珍しいじゃねぇか、非番なんだろ?」
「ほんとだな。夏になるんじゃないか?」
当番の日ですら朝からきちんと起きている方が珍しいエースを見て、隊員達は口々にからかった。若さと人好きする性格が相俟って、エースはいつも周りから構われる。
「うるせぇな、ほっとけ!」
今日だけは放っておいて欲しいと心から願うエースは、隊員達の方に振り返り、響かないように声を抑えながら怒鳴り返した。
すぐにその場を離れようと正面に向き直った途端、突然壁のようなものに衝突して尻もちをついた。
「いった・・・」
目の前にはジョズが立っていて、両手を軽く上げてエースに謝った。
「悪りぃな、エース!見えてなかったぜ。」
縦にも横にも大きいジョズは、エースが立っても胸くらいまでしか届かない大男だ。ジョズはエースに片手を差し出すと、腕を軽く引っ張りエースを立たせた。
ジョズの図体に隠れて見えなかったが、ビスタも一緒にいる。
ジョズは、エースを持ち上げる時にふわりと香る石鹸の匂いに気づき、エースをからかった。
「エース、朝から風呂に入ってきたのか?急に色気付きやがって、夢精でもしたのか」
「んな訳ねぇだろっ、馬鹿っ!」
エースが冗談を真に受け、耳を赤くしながら怒ったので、その場にいた隊員達はビスタも含めて大笑いだった。
「なるほどな。エースがこんな時間から起きてる理由が分かったぜ」
ビスタまでジョズのからかいに乗る始末で、隊員達の注目の的になったエースは当初の予定から大きく外れ、かなり目立ってしまっていた。
エースは早くこの場から離れたいと思うと同時に、マルコの耳にこの話が入って欲しくないとも思った。
話がこれ以上広がらない内に、エースは適当な理由をつけて甲板から離れることにした。
「お前らに付き合ってられねぇよ。腹減ったからメシ食ってくる」
「おう、食ってこい。久しぶりの非番だから有意義に過ごすんだな」
気のいいジョズはエースの背中をぽんと叩くと、もうこの話は終わりとばかりに隊員達が仕事に戻るよう促した。

エースが去った後、ビスタはさっきまで一緒にいたはずのマルコを探した。
ぐるりと見回すと、マルコはビスタ達から少し離れた甲板のへりで、遠巻きに状況を見ていた。
「マルコ。どこ行ってたんだ、さっきまでエースがいたぞ」
「知ってるよい」
「行っちまったけど良かったのか?」
最近エースとマルコの2人が仲がいいことを察していたビスタは、エースに気づいていながら話しかけようとしなかったマルコに、多少の不自然さを感じていた。
ビスタの思惑を感じたマルコは、平静を装い、さして気にしてないような口調で言った。
「用事もないし、別に話すことはなかったよい」
ビスタは言外に「用事がなければ話さないような仲か」という顔をしたがマルコは気付いていない体で無視をした。

- Continue -
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そろそろ話を折り返しにしたいなと思いつつ。お互い気を遣い、マルコは面舵いっぱい(?)でエースを回避してました。まだ2人とも顔を合わせるには早いみたいです。オールキャラが目的ではないのですが、次はサッチも登場でいよいよメンバーが揃ってきた冬島です。




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