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水響庭Blog

日々、思いつくまま書き連ねて行く駄文妄想blogです。 One piece/12、進撃の巨人/エルリその他を亀更新していきます。 作品はシリーズ毎のカテ分けになっています。 現状はOne piece、進撃の巨人のみになります。話は基本R15、R18を含む流れになりますので、苦手な方はご注意下さい。

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冬島(30)完

CP/マルエー
冬島も最終話です。
ライフワークみたいな感じで作っていましたので、淋しい気もするのですが。。
最後30話でキリ良く!と思い、長くなりすぎました。
1話が始まった時からお付き合い頂いた方がいれば本当に感謝です。

拍手[21回]

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翌朝、食堂の掲示板に昨日の火事に関する処遇が貼り出された。
『昨夜の騒ぎに対する罰則として、二番隊隊長ポートガス・D・エースに寄港中の船外外出禁止を命ずる』
そして、今回の寄港期間中に限り、二番隊の采配は一番隊隊長が兼任するとも記載されていた。
書類にはそれぞれマルコと白ひげのサインがあり、一目で公式文書とわかるようになっていた。

その隣に小さく掲示された異動通知には誰も目を止めなかったが、エースだけはその存在に気がついた。
そこには、事態を掻き回したあの十六番隊の男と、エースを襲った男と思われる人物の名前があり、それぞれ本隊から白ひげ傘下の海賊団へ出向になったという内容だった。
十六番隊隊長であるイゾウはマルコから直々に事の顛末を知らされただけに、自分の隊員の不祥事に気が狂いそうだった。
「エース!何でそういう事を俺に報告しねぇんだよ!」
イゾウは事態を把握していなかった自分に怒り心頭で、相談をしてこなかったエースを激しく責めた。
「だから悪かったって言ってんだろ?」
エースはバツが悪そうに、怒り狂うイゾウに謝った。
「鞘に収まったってのにマルコは厳しいねぇ」
掲示板の前にいるエースの後ろから、サッチはにやにやしながら話しかけた。
「鞘ってなんだよ」
エースは耳を赤くしながらサッチを睨みつけた。
「お前ら二人とも下船できりゃ島で好き放題できただろうに、外出禁止とはなぁ」
「馬鹿、そんなことしねぇよ」
若いエースは照れて目を逸らした。
サッチは昨日エースをマルコに引き渡した後、どうにも心配になってマルコの部屋の前を訪れていた。ボコボコにされてなければいいがと思い部屋の状況に耳をそば立てたが、聞こえてきたのはあられもないエースの悲鳴で、状況を正しく理解したサッチはすぐその場を後にしたのだった。
今目の前で照れている若者に話したら、いよいよ燃えてしまいそうな気がしたサッチは、そっと自分の胸の中に仕舞っておくことにした。

*

縄張りの島に着きいよいよ下船となった頃、船内は大荒わだった。
食糧品、医薬品そして火薬類を調達するために、割り当てられた隊がリストを手に最後の確認を行っていた。
「上陸の時に非番ってのは最高だぜ!マルコ様々だなぁ」
「たまたまだよい」
マルコは下船していく隊員たちの持ち出し品やリストを確認しながら、それを悠然と眺めるサッチに相槌を打った。
上陸中に隊務を持つ者、久しぶりの大地で羽を伸ばす者全てを見送り、モビーディック号は船番で残る二番隊の隊員とほんの少しの乗組員だけとなった。
「さぁて、俺らも行くか!・・・マルコ?」
サッチは焦がれた大地目指して足を踏み出すが、マルコがついてくる気配がないので振り返った。
「悪りぃ、サッチ。今回俺は船に残るよい」
「悪りぃなぁ、サッチ」
マルコの後ろからイタズラっぽく顔を出したのは、他でもないエースだった。
「ああ〜、なるほどね。そういうことかよ、お二人さん」
サッチは半眼で笑ながら、二人を交互に見た。
「エース一人残す訳にはいかねえからな」
「さっすがマルコ隊長!」
エースは笑いながらマルコの腰に飛びつき、年相応の顔付きで笑った。
二人の関係を知らなければ、ただ男同士ふざけあっているだけに見えるのだが、全てを知ってしまったサッチにはイチャついているようにしか見えない。
「やめてくれ、そんなもん腹いっぱいだってんだ。エースの為に船に残るなら、そもそも外出禁止にしなきゃ良かったんじゃねぇのか?お前の采配だろ?」
「まあな、でもあんだけのことしたんだ。軽い罰じゃ他の隊員に示しが付かねぇよい。それに・・・」
マルコはエースの顎を取ってキスするように顔を近づけた。
「隊員ばかりの島より、船ん中の方が好き放題できるだろ?」
エースは間近でマルコに見つめられ、サッチがいるにも関わらず赤面して照れた。
「おーやだやだ、勘弁してくれよ」
サッチは二人に向かってひらひらと手を振ると、タラップを下りて大地を踏みしめた。
ビスタ達はいつもの店にいるに違いない。マルコとエースの話をネタにして飲むか、などと考えながらサッチは久しぶりの繁華街へと消えて行った。

「さて、サッチも見送ったしメシでも食うか?」
マルコはここ最近なかったような優しい仕草でエースを促した。不覚にもギュッと胸を締め付けられたエースははにかむように笑って胸の高鳴りを誤魔化した。

殆どの隊員が出払ったモビーディック号は、昼時だと言うのに人影も疎らだ。穏やかな春島の気候、暖かな太陽の光に照らされて、閑散としているというよりは人の少ないリゾート地にいるような開放感さえ感じた。
二番隊の他にコックが数人残っていたので、これだけしかいないなら仕事を中断して一緒に食事を摂ろうということになり、船に残る者全員が食堂に集まった。
今回の寄港で新鮮な食糧品も大量に補充することもあり、食糧は開放状態でコック達はいつになく大盤振舞いだった。
「うまそう!腹減ったー!」
「なんだお前、落ち込んでるかと思ったのにやけに元気だな」
コックはエースを茶化しながら、腕を振るって作った料理を次々に運んできた。
エースは山と盛られた大皿の中から、大好物の海王類の肉にフォークを突き立ててかぶりついた。マルコはそれを楽しそうに見つめている。
料理を全てテーブルに出しきって、コックが全員席に着いて食べ始めると、コツコツと料理長もテーブルに顔を出した。両手に湯気の立つ熱いコーヒーカップを持っている。
おもむろにエースの隣に陣取ると、いつかのように、向かいのマルコにコーヒーを差し出した。
「・・・ありがとよい」
料理長は隣で美味しそうに料理を頬張るエースを見て、自分はコーヒーに口を付けながら言った。
「おい小僧、うめぇか?」
エースは口いっぱいにパスタを含んで、咀嚼しながら答えた。
「おっさんが作るメシはいつでもうめぇ」
「はっはっは、そうか、そりゃ良かった・・・」
「おーかーわーりー!」
エースはあれだけあった大量の料理を一瞬で平らげると、次から次へとコックへ要求した。
「しょうがねぇ奴だな、お前こっちの食えよ」
隣のテーブルで食事をしていたコック達がエースを呼び寄せたので、食べ物に釣られたエースはマルコをチラッと見てから隣に移ってしまった。
マルコは好きに食えと言わんばかりに手を挙げたので、テーブルには料理長とマルコだけが残された。
「あいつも食欲が戻ったみたいで良かったじゃねえか」
料理長が唐突に言うので、マルコは驚いた。
「どういうことだ」
マルコは尋ねた。
「あいつが食欲がないとすぐわかる。食材の減り方が違うからな。・・・あいつがアンタの悩みの元凶なんだろう」
マルコは思いがけず確信を突かれてコーヒーを噎せそうになった。
「なんでわかるんだよい」
「長年食堂にいりゃその日の体調もわかるってもんさ。人間模様も遠くから眺めていた方がよくわかることもある」
「・・・」
「どちらかと言うと今日のあんたは胸が詰まって食事が喉を通ってねぇみたいに見えるがな」
「あんたにゃ叶わねぇよい」
マルコは朝から食が進んでいなかった理由を言い当てられ、困ったようにフッと笑うと、料理長はコーヒーをぐいっ飲み干して調理場に戻って行った。

やがて満腹になったエースがいつものように寝てしまうと、マルコはエースを抱えて自室に戻ってきた。
二人の紆余曲折が詰まったマルコの部屋で、たらふく食べたエースは幸せそうに寝こけている。
「・・・クソガキめ」
マルコは大きくかさついた手でエースの顔を撫でた。

- End -
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短い話をダラダラと書いてしまって最後まで申し訳ないです。約11ヶ月に渡り読んで下さった方がおられましたら、本当にありがとうございました。次は、新しい話かスパルタを久しぶりに更新しようかなと思っています。
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