CP/マルエークリスマスイブも通常営業中です。むしろいつもより妄想に浸っているかもしれません。青い鳥の話を切り出されてから、マルコに興味深々のエースさんです。
[6回]
-----------------------------------------------------
次の日、ここ最近では珍しくマルコの機嫌が良かった。
いつも取り澄ました表情で船内の采配をしているのが常なのに、普段以上に笑顔が多く鼻歌交じりに書類を眺めている姿は、長年一緒に過ごしてきたサッチから見ても気味が悪かった。
それもこれも、朝からエースがマルコに話しかけてきたことかは始まっている。挨拶だけなら毎朝の事だが、今朝の態度は違った。エースはマルコを見つけると、自ら駆け寄ってきたし、仕事中もマルコとよく目が合っているようだった。
エースは朝も昼も、食堂でマルコを見つけると進んで同席したがったし、マルコもエースと食事を摂るのは満更でもない様子だった。
入団後、平隊員になったエースとマルコが一緒になることは少なかったため、マルコは自分の間近で食事するエースを見るのは久しぶりだった。
マルコは食事の間中、エースの無造作にはだけた胸や食事の脂で艶めかしく光る唇に視線を這わせ、夜まで待ちきれない自分を慰めていた。
サッチやビスタを始め、他の隊長達は、邪魔をしてはいけないという暗黙の了解で気を遣い二人の様子を遠巻きに観察していた。
「どうなってんだ、あの急展開。昨日はエースが夜番勤務だから、何かあったとも思えねぇしなぁ」
イゾウは食後のお茶を啜りながら言った。横に陣取るジョズは、手に持った果物を丸齧りしながら答えた。
「案外食い物で釣ったんじゃねぇか?秘蔵の肉があるとか言って・・・」
「あいつがそんな単純な奴だと思いたくはないがねぇ」
サッチはジョズに苦笑いしながら答えた。
夜になり中番勤務が終わる頃、書類仕事を中断し、食事のために降りてきたマルコを捕まえたサッチは、今日の急展開についてマルコに問いただした。
「なんだよ、マルコ。昨日の夜エースとうまくいったのか?教えてくれねぇなんて水くせぇじゃねぇか」
サッチは、食堂の中で目立たない隅の席を陣取るとマルコに言った。
「まだ上手く行ってないよい」
とマルコは言い、これからだ、と狡猾そうに笑った。
「今日の夜、エースを部屋に連れ込むのに成功しただけだよい」
マルコはサッチと夕食を摂りながら、上機嫌の理由を暴露した。
青い鳥の話まではしなかったが、酒を口実に今晩部屋に訪れること、約束を取り付けてからはエースの態度が一変したことなどをサッチに話し、食事のネタにした。
三十分ほど話した後、そろそろエースが来る時間だとマルコが言ったので、二人とも食事を手早く片付けて席を立った。
去り際にマルコは、「夜の間に何か船でトラブルが起きたら、サッチ、お前に任すから今日は邪魔しないでくれよい」と言い、後姿でひらひらと手を振りながら自室へ戻って行った。
「へいへい。いいよなぁ、モテる奴はよ」
マルコが去って一人になったサッチは、食堂のカウンターに座り直し、そこらにあったラム酒の瓶を詰まらなさそうに回しながら独り言を言った。
- Continue ------------------------------------------------------
早くイチャイチャが書きたいなぁ。
今年のクリスマスが平日で幸せです。
PR