CP/マルエー白ひげとナースとの束の間の休息です。こういうほのぼのも好きです。
だんだん1話のボリュームが多くなって書きたい内容が収まらなくなってきたため、20話にだいぶ繰り越してしまいました。いつか直したい。
[5回]
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エースが船長室にやってくると、白ひげはナース達と共にお茶をしていた。
ナース達の私物なのか、船長室の板張りの床に柔らかそうなファーの敷物が敷かれ、凝った装飾の小さいテーブルには、お洒落なティーセットが置かれていた。ナース達はテーブルを囲むように座っていて、エースが来るとみなカップを置いて歓迎した。
「エース隊長、いらっしゃい」
ナース達はエースを近くに座らせようと手を小招いたが、ナースに囲まれてファーの敷物に座るのには躊躇いがあったので、白ひげが横たわるベッドの足元に遠慮がちに腰掛けた。
「エース、よくきたな」
白ひげは久しぶりのエースに嬉しそうに目を細めると、ナース達に渡されたのであろう玩具のように小さいティーカップに口を付けた。
白ひげが酒以外を口にしているのを初めて見たエースは、白ひげと小さすぎるカップとのギャップに思わずクスッと笑ってしまった。
それを見たナースは、何か言いかけた白ひげに先手を打って警告した。
「船長、お酒は駄目です。今日は紅茶で我慢して下さい」
「こんなカップじゃあ、一口にもならねぇぞ。せめて樽で飲みてぇな」
と白ひげが言うので、ナース達はキャッキャと笑った。
エースが船長室に来た目的は白ひげとナース達の暇つぶしなので、エースはナースに誘われるままにトランプをして遊び、白ひげはその様子を見て楽しんでいた。
エースはその若さからナース達に可愛がられていたが、逆に若さ故にナースに手を出そうと思い及ばない所があったので、彼女達にとっては紳士のマルコとともに白ひげ公認で安心して付き合うことのできる数少ない隊員だった。
エースはナース達に対して異性という気負いがないので、いつも自然体で話は面白かったし、エース自身も気が楽だった。
エースはナース達のファッションや食べ物のとりとめのない話を聞いたり、白ひげの武勇伝を聞きながら午後を過ごした。
夕方になり、ふとマルコはいつ戻るのだろうと思ったエースは、指示を出した張本人の白ひげに何気なく問いかけた。
「オヤジ、マルコはいつ戻るんだ?」
「そういやぁもう島に着いてる頃だな。外泊がしてぇってんで許可を出したからすぐには戻らねぇぞ」
「外泊?」
珍しい、とエースは思った。マルコはいつでもモビーディックを気に掛けているので、例え航行中に出張ることになっても、最低限の滞在しかしないのだ。それがなんで自ら外泊の許可を申し出たのか、エースは首を傾げた。
「せっかく隊務で島に入るんだ。女のとこにでも寄りてぇんだろ」
グララララと白ひげは笑いながら近くの酒甕に手を伸ばし、ベテランのナースにぴしゃりと手を叩かれていた。
「マルコ隊長のお相手が出来る人ってどんな人なのかしらね、妬いちゃうわ」
若いナースが果敢にもそう言うので、白ひげは言った。
「妬くもなにも商売女じゃねぇか。なんだおめぇはマルコがいいのか?」
俺の権限で一晩貸してやってもいいがなと白ひげが言うと、ナース達は黄色い声で悲鳴を上げたので、エースは無性にイライラした。
昨晩ジョズに言われたように、マルコがモテるのが許せないというのも一理あるかもしれない。そんな風に思う自分の心の狭さが嫌だったが、今はマルコに関するどんな話も人から聞くのが苦痛だった。
夕食の時間になる頃、ナースの一人が夜勤前に少し寝たいというので、それに合わせて場もお開きということになり、エースも解放された。
エースはマルコの外泊について腑に落ちない気分のまま船長室を出た。
サッチとビスタを探すが、夕食時で既に人が少なく、暗くなった甲板で探し人を見つけられずにいると、背後から誰かに声を掛けられた。
「エース隊長」
聞き覚えのある声にハッとして振り向くと、そこにはあの十六番隊の男が立っていた。
- Continue ------------------------------------------------------
終盤に差し掛かって来た冬島ですが、どこかのタイミングで大幅に加筆修正がしたいです。。
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