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水響庭Blog

日々、思いつくまま書き連ねて行く駄文妄想blogです。 One piece/12、進撃の巨人/エルリその他を亀更新していきます。 作品はシリーズ毎のカテ分けになっています。 現状はOne piece、進撃の巨人のみになります。話は基本R15、R18を含む流れになりますので、苦手な方はご注意下さい。

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冬島(22)

CP/マルエー
エースには9:1ぐらいの割合でツンデレであって欲しいと思うんです。生意気な強気受けが個人的には最高に萌えます。もう夏なのに冬島・・・、また新たなモブキャラが。

拍手[4回]

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エースは、それからどこをどう歩いたかわからないまま部屋に戻った。夕飯も食べずにいたが、いまのエースにとっては食事などどうでも良かった。
マルコに対する嫉妬で感情が昂り、面と向かって文句を言わなければ気が済まない心境だった。
部屋に入ると怒りに任せて物書き机の椅子を蹴り倒した。椅子はバン!と勢いよく壁にぶつかり、衝撃で部屋が震え棚から未処理の書類がパラパラ落ちてきた。
普段こんなことをしようものなら奥の部屋のマルコが飛んできて大目玉をくらうところだが、当のマルコは今日島へ出張でいないのだ。自分のみならず十六番隊の男にも手を出して、それでも飽き足らず島の女の所へ転がりこんでいるに違いない。
腹の立つような結末しか思い描くことが出来ず、エースは肺が詰まる気がして、大きく息を吸い込んだ。

コンコンコン、と扉を叩く音がした。
先ほどの騒音を聞きつけて人がやってきたのかもしれなかった。
エースは一瞬、マルコが咎めに来たのではと無意識に期待したが、すぐにそんなはずはないと心の中で打ち消した。扉の外の人物に急速に興味を失うと、エースは吐き捨てるように言った。
「急ぎじゃねぇなら後にしてくれ。今機嫌が悪りぃんだ」
この一言で訪問者は去って行くと思われたが、意外にもドアノブに手が掛けられたのでエースは身構えた。
キイイ、と遠慮がちな音を立てて扉が開くと、そこには扉ほど図体のデカい男が立っていた。
「エース隊長、失礼するぜ」
そう言って入ってきた男は、船内で見たことがあるかもしれないと言う程度の隊員だった。エースより一回りは年上に見え、筋肉ばかりで頭の回転が悪い、見てくれからして粗忽そうな男だった。
男は初めて入るエースの部屋に遠慮しながらも、じりじりとエースに近づいていく。エースは本能で危険を感じとると、パチパチと火花を散らしながら男を威嚇した。
「・・・てめぇ誰だ。俺の言うことが聞こえなかったのか?」
押し殺した低い声で男を睨みつけるが、男は怯むどころか好色そうな表情で下卑た笑みを浮かべていた。
「まぁ、そんな怖い顔しなさんなって、エース隊長さんよぉ」
「・・・それ以上近づいたら殺すぞ」
「ガハハ!仲間殺しはモビーじゃ禁忌のはずだろ?隊長自らそんなことしていいのか?」
実力者のエースを目の前に余裕すら感じさせる男に得体の知れない不安を感じながら、エースは後ずさった。
「いやなに、エース隊長さんと取引がしたくて来ただけだ・・・、おっと火は出すな。この話を聞いたらおめぇはきっと断れねぇはずだ」
目の前の男の舐めた発言に思わず炎が噴き出しそうになったが、船内で火を出してはいけないという理性だけで何とか踏みとどまることができた。
「へへっ・・・、俺はなぁ知ってんだ、おめぇマルコ隊長に食われたんだろ?」
「・・・!」
エースは心臓が掴まれたような衝撃を感じ、息を短く吸い込んだ。
マルコとの過ちを何の関係もない隊員に知られていたという事実がエースの頭を支配し、男がエースに更に近づくのを許してしまった。
「・・・どこで知ったんだよ」
「おめぇの情報に詳しい奴がいたのさ。そいつはマルコ隊長を狙ってた。おめぇが夜な夜なマルコ隊長の部屋に通ってるのも知ってたぜ・・・」
男の話を聞いて、そんなことを知っていそうなのはあいつしかいないとエースは確信した。
あの十六番隊の男は、エースがマルコの部屋に入り浸るようになる前からずっと、チャンスを伺って動向を監視していたに違いない。行き過ぎた監視の中でエースとのことも目撃してしまったのだろう。そう思うと辻褄が合った。十六番隊の男はエースをひどく妬んでいただろうし、マルコとの仲を更に拗らせようと捨て身で手出しして来たのだ。十六番隊の男に対する憤りは激しくなったが、今それがわかったところで、現状を打開する助けにはなりそうになかった。

目の前の男は興奮が目に見えてわかるようになり、息遣いも荒くなった。
「俺ぁ前からおめぇのこと狙ってたんだ。高嶺の花だとは思っちゃいたさ。誰の手も付いてないと思えばこそ我慢してたんだ」
男はエースの腕を掴むと、力任せにベッドに引き摺り倒した。
「触んな!気持ち悪りぃな!」
エースは吐きそうになるのを抑えながら男を睨みつけて罵った。腕を掴む男の手に力が入り、体重を掛けられるとミシミシと骨が軋むのを感じた。
「おめぇの態度次第でマルコ隊長とのことは黙っといてやってもいいぜ」
男はエースの身体を視姦するように胸や下半身に目を這わせた。

- Continue -
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長らくお待たせしてしまいすみません。冬島は25話くらいを目標にして、そろそろ次の話を始めようかなと思っています。

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