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水響庭Blog

日々、思いつくまま書き連ねて行く駄文妄想blogです。 One piece/12、進撃の巨人/エルリその他を亀更新していきます。 作品はシリーズ毎のカテ分けになっています。 現状はOne piece、進撃の巨人のみになります。話は基本R15、R18を含む流れになりますので、苦手な方はご注意下さい。

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冬島(18)

CP/マルエー
マルコに不信感を募らせるエースと、頼まれてもないお世話を買って出るサッチという感じの18話です。
早く×××が書きたいです。

拍手[3回]

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翌日、サッチは当番で朝から甲板に出ていた。
一緒に朝番のはずのエースはいまだに起きて来ないし、他の隊長達も珍しく誰一人として甲板に出てこないので、サッチはエースの穴を埋めるために一人で二番隊と四番隊の面倒を見なければいけなかった。
天候は目に見えて良くなってきていて、凍えるほどの寒さ以外は異常もない。サッチは昨日に引き続き、船内備品をチェックして寄港の準備を進めていた。
エースが寝坊の常習犯なのは周知の事実なので、普段のサッチなら朝番でエースが時間通りに起きてくることなど期待もしていないのだが、今日だけは違った。
マルコの告白を聞いてからというもの、エースの様子を早く見たくて仕方がなかったし、マルコにとって僅かでもまだ望みがあるのかどうか確かめたかったからだ。

昼前になり隊員達が食事の匂いにそわそわし始める頃、サッチにとって渦中のエースが防寒着を羽織りながらバタバタと起きてきた。
「悪りぃ、サッチ!寝坊した!」
そう言って息急き切るエースは、サッチが思うより元気そうに見えた。
「なぁに、気にすることないさ。いつものことだろ?」
「そう言うなよ、島に入ったら何か奢るからさ」
エースは寝坊した時の常套句を口にした。いつも食事途中に寝てしまうエースに奢ってもらう機会は一度もなかったが、サッチはエースのそういう無邪気さが気に入っていた。
サッチはエースを年の離れた弟のように思っていたので、マルコのように性の対象として見たことはないが、改めてエースを見ると、なるほどなと納得できる部分もいくつかあった。
若くハリのある肌に引き締まった肉体は男でも目を引くし、まばらなソバカスはむしろ女性らしく、愛嬌のあるエースの性格を引き立てているようにも見えた。
サッチはまじまじと観察しながら、今目の前にいるエースをマルコが襲ったとは到底信じられない気分だった。
様々な思いでエースを観察するサッチをよそに、エースは隊員達に混ざりながら、午前中に残った仕事を申し訳なさそうに手伝っていた。
そのうち昼休憩の時間になったので、サッチは警備の為の隊員を数名残し、気後れするエースを連れて食堂に降りた。

食堂にはこれから中番の隊員達も昼食を摂りにきていて、人でごった返していた。
サッチは端の方に席を見つけてエースとともに腰を落ち着けると、早速マルコの事を質問した。
「・・・で、マルコとはあれからどうなったんだ?」
サッチは我ながら野暮な気もしたが、昔ながらの同僚であるマルコのために、勝手に人肌脱ぐことにした。
マルコの事を聞かれて、エースはパスタを食べる手が止まってしまった。
一晩寝て、過去の事になったはずの苛立ちがふつふつと再燃してくる。
「知らねぇ、会ってねぇし」
エースは手近なパンをフォークで刺すと、つっけんどんに言った。
エースの様子を見る限り、あれからなんの進展も無いのは明らかだったか、昨日とは打って変わりマルコに対して怒りの感情が滲みでているのがわかった。
「・・・まあ、何があったかは知らねぇけどよ。マルコは悪いやつじゃないと思うぜ、お前にとっちゃな」
サッチが二人の関係を知ってか知らずか唐突にマルコを擁護するので、悪い所ばかりじゃないかとエースは心の中で舌打ちした。エースも心を許していたとはいえ、なし崩しに一晩の過ちを犯してしまったし、しかも相手は未だに相手が不足しない遊び人だとわかったのだ。
エースの心のうちを敏感に読み取ったサッチは、続けて言った。
「一度話し合ってみろよ、マルコが帰って来たら」
「帰ってきたらって、マルコいねぇのか?」
マルコが今日いないとは初耳だったので、エースは驚いて聞き返した。
「そうだ、昨日オヤジと話してたろ?これから寄港する島に先に行って、入港要請に行くことになったのさ」
入港要請と聞いてエースは首を傾げた。寄港する島は昔から白ひげがなわばりにしている島だし、後何日後に着きますから準備をお願いしますねという連絡に、わざわざマルコが出向く必要があるのかとエースは思った。
「あそこは島と言っても王国だからな。立場のある人間が行った方が心象がいいんだ。それに抜けかけてるとはいえ、ここはまだ冬島の海域だぜ。数人が小船で行くより、マルコ一人が飛んで行った方が安全なのさ」
なるほどな、とエースは思ったがマルコがいないと分かった途端に気持ちが落ち込んだ。勢い余って刺したパンにも罪悪感を感じフォークを抜いて手に取ったが、かと言って食べたいわけでも無く、千切ったりしながら持て余していた。
エースは腹を立てたかと思えば落ち込んだりで、サッチから見てもまだマルコとの事を消化しきれてないのは一目瞭然だった。
普段あっけらかんとしているエースがはたから見ても不安定に見えるのは、マルコがエースに対してそれだけの事をしたのだとサッチは気の毒になった。
エースはマルコを避けていたが、マルコがいないとなると落ち込むし、結局のところマルコの事をどう感じているのかは本人も分かっていないのだろうと思った。

昼休憩が終わり、しばらくして中番との交代の時間になると、眠そうな顔をしたビスタが甲板にやって来た。
「交代するぜ」
もうそんな時間かと思いながら、エースはサッチに声を掛けた。
「サッチはこれから何するんだ?」
マルコがいないとなった以上はサッチといても安全だという気持ちがあったので、エースは交代した後、サッチと一緒にいようかと思っていた。
「俺ぁこれから通しで中番なのさ。マルコのやつがいねぇからな」
サッチな残念そうに両手を軽く上げた。
あてにしていたサッチに振られてしまったエースは、ビスタもこれから当番だし、天候が落ち着いてきた今、エースが特に必要とされることも無さそうなので、どうしようかと考えた。
するとサッチが言った。
「することねぇなら、オヤジとナースの相手してきてくれるか。手が空いたらエースを寄こせって言われてんだ」
白ひげと聞いて、エースはここ最近白ひげの部屋に訪れていなかったことに気付いた。冬島の海域に入ってから目まぐるしく忙しかったからだ。
白ひげとナース達の相手は大抵マルコが受けることが多かった。マルコは普段から白ひげの相談相手だったし、経験豊富で女性の扱いに慣れているマルコは機転もきき会話が面白いので、ナース達の機嫌を損ねるようなこともしないからだ。そしてオヤジの大事にする娘達を大切に扱おうという紳士さも兼ね備えている。エースはマルコの次に呼ばれることが多かったが、マルコとは違う意味で安全牌だと思われていた。
エースは白ひげの相手をしにいくのはやぶさかでは無かったので、ナース達もいるのであればいい気晴らしになりそうだと思い、当番の引継ぎはサッチに任せて、言われた通り船長室に向かうことにした。

- Continue -
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あと何話くらいで終わるかなと。
そろそろ暖かくなってきたので、終わりにしたいです。25話目標?あれ、長くなっとる。。。


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