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水響庭Blog

日々、思いつくまま書き連ねて行く駄文妄想blogです。 One piece/12、進撃の巨人/エルリその他を亀更新していきます。 作品はシリーズ毎のカテ分けになっています。 現状はOne piece、進撃の巨人のみになります。話は基本R15、R18を含む流れになりますので、苦手な方はご注意下さい。

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冬島(13)

CP/マルエー
二人のすれ違いは周りの目にもつくようになり、という感じの13話目です。
本ブログのサッチは人のお世話ばかりしている世話貧乏なキャラになってしまってます。

拍手[3回]

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サッチの努力も虚しく、三人は全く盛り上がらないまま食堂の前に着くと、五番隊の隊員がマルコを見つけて呼びに来た。
「あっ、マルコ隊長!船長が呼んでいましたよ」
「オヤジが?」
「はい、もうすぐ冬島の海域を抜けるみたいで、航海士達とマルコ隊長を呼んでます」
マルコは表情ひとつ変えずに「わかったよい、ご苦労様」と言い、サッチ達に片手を軽く上げて合図すると、船長室の方へ引き返していった。
マルコが角を曲がったのを見計らって、サッチは言った。
「マルコ行っちまったぞ」
「ああ、オヤジが呼んでんだろ」
サッチはここぞとばかりに問いただしたい事が山程あったが、珍しくドライなエースの態度に、これ以上軽口を叩けなくなってしまった。

二人で食堂に入り、昼時で混み合う中で席を見つけると、二人はコックが運んで来た昼食を食べ始めた。
「お前今日は非番なんだろ?午後はどうするんだ」
エースは好物の骨付き肉にとりかかりながら答えた。
「そうだなあ、非番ですることねぇし、適当に船でブラブラするかな」
大概非番の時は仕事中のマルコやサッチの側で仕事を手伝ったり暇を潰したりしていたので、一人となると急に手持ち無沙汰になってまう自分がいた。
サッチはこれからマルコと一緒に中番のはずなので、気まずいマルコと出くわすのがわかっていてあえてサッチと一緒にいることもない、とエースは思った。

エースは自分用にコックが作った特盛りのピラフを目の前に寄せると、一番大きなスプーンで食べ始めた。
エースの食欲がいつも通りなのを確認すると、サッチは午前中から気になっていた事を質問した。
「お前さ、マルコと何かあったのか?」
エースは思わずブッとピラフを盛大に噴き出すと、むせながらサッチを睨みつけた。
「ゴホッ・・!なんだよいきなり」
サッチは「汚ねぇ奴だな」と飛んできたピラフを拭きながら、エースのこれ以上ない程分かりやすい態度に、つくづく隠し事が出来ない奴だと思った。
「だってお前らなんか変だろ?話しもしねぇし、お互い目も合わせねぇしさ」
「・・・」
痛いところを突かれて黙り込んでしまったエースに、サッチは普段とは違い年長らしく落ち着いた声で畳み掛けた。
「俺で良かったら話してみろよ。頼りになると思うぜ」
真剣に自分に向き合うサッチを見て、エースの心は揺れた。
サッチはマルコと付き合いが長い。マルコの事を相談すれば頼りになるのは間違い無かったが、二人の間にあった事をどう切り出せば良いのかわからなかった。人が多く騒がしい食堂で、マルコと寝てしまってどうしていいかわからないなどと告白するのはあまりにも危険すぎた。サッチが行為そのものに対してどう感じるかもわからないし、エースは喉元まで出かかった言葉を飲み込むしかなかった。
「心配かけて悪りぃ。でもほんとにマルコとは何もねぇんだ」
そう言いながらしょんぼりするエースは、どこから見ても何かありそうだったが、サッチはそれ以上追求するようなことはしなかった。
「・・・それなら良かったけどよ。何かあったらお兄さんに相談してきな」
「わかった、ありがとよ」
エースは先ほどより幾分か食べるペースが落ちたようだったが、食欲だけは健在のようで、黙々とピラフを平らげていた。

そのうちエースがいつものように食事途中で突然寝てしまうと、ちょうどビスタが昼休憩で食堂にやって来た。
「今日のエースはいつもより凄まじいな」
ビスタは食べかけの骨付き肉を持ちながらピラフを撒き散らして皿に突っ伏すエースを見て言った。
「エースのお守りは大変さ」
サッチは満更でもない表情で、エースに向かって頬杖を突きながら言った。
「だろうな。マルコはいねぇのかい?」
ビスタは昼間まで一緒にいたマルコを探した。
「マルコはさっきオヤジに呼ばれて船長室だ。どうかしたのか?」
「いや、またエースを避けたのかと思っただけさ」
「マルコが何だって?」
ビスタの言葉にサッチは過剰に反応した。
ビスタは朝の出来事を話すと、サッチは妙に納得したように資料室でのことを話した。
「やっぱりこいつら、喧嘩でもしたんじゃねぇか?」
「エースまでとなると疑いようがないな」とビスタは言った。
「サッチ、これから中番はマルコと一緒なんだろう。何があったかそれとなくマルコに聞いてみてくれよ。要の一番隊と二番隊の隊長が不仲じゃあ、これからの隊務に支障をきたすかもしれんからな」
ビスタはそう言うと、中番との交代までまだ時間があったため、早めに昼食を済ませると隊務に戻っていった。
ビスタもマルコとはかなり長い付き合いのはずだが、こういう役回りはサッチに回ってくることが多いのだ。
「それとなくって言われてもなあ」
サッチはピラフにまみれて眠るエースを見ながら一人頭を悩ませた。

- Continue -
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海賊団の知力と戦力の要である二人の動向をサッチとビスタは気にしているご様子です。
二人に関わることが多く板ばさみになることが多いので気になるのかもしれません。次はエースがマルコの噂を色々聞いてしまう感じの14話です。


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