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水響庭Blog

日々、思いつくまま書き連ねて行く駄文妄想blogです。 One piece/12、進撃の巨人/エルリその他を亀更新していきます。 作品はシリーズ毎のカテ分けになっています。 現状はOne piece、進撃の巨人のみになります。話は基本R15、R18を含む流れになりますので、苦手な方はご注意下さい。

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冬島(14)

CP/マルエー
いつも一緒にいたマルコやサッチに自ら距離を置くエース。
噂話で男所帯での暗黙の慣習を知ってしまい、という感じの14話目です。

拍手[6回]

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エースは食堂でハッと目を覚ますと、そこにはもうほとんど人がいなかった。
時計を見ると昼を大分過ぎていたので、一緒にいたはずのサッチはもう当番勤務に入っている時間だった。
エースはナプキンで顔を拭いてから昼食の続きを食べ終えると、防寒着を手に取り早々に食堂を後にした。

防寒着のボタンを締めて、強い風が吹く二階の甲板にやってきた。二階から一階の甲板を見下ろすと、作業している人の流れがよく見えた。
一階にはマルコやサッチがいる。明け方に比べると天候も落ち着いているので、保全作業に加えて弾薬庫の在庫確認も行っているようだった。
マルコが近くにいる時は目を合わせることすらできないのに、遠く離れた途端に目が離せなくなるのは、なんとも皮肉な感じだった。

マルコはサッチとともに部下を動かし、消耗品の在庫帳を整えている。この海域を出たらなわばりの島に帰港する予定なので、そこで足らずまいを調達する必要があるのだ。
マルコはいつも隊務の中心にいて、一日中色々な隊員から書類を受け取ったり、進捗の報告を受けたりで休む暇なく指示をしている。
一歩引いた所から眺めていると、マルコは名実共に周囲の信頼が厚く、白ひげの代わりに采配できる唯一の人物なのだと改めて感じざるを得なかった。エースも入隊前から何かと気を配ってくれたマルコを特に頼りにしていたし、あの一件さえなければ今ごろ隣で仕事の邪魔をしているに違いなかった。
真剣に働いている姿は入隊当時に憧れた一番隊隊長マルコそのもので、エースは無意識にあの夜の一面を思い出し、そのギャップに苦しんだ。

甲板の手すりに寄り掛かり、下の様子を眺めていたエースだったが、同じように二階から下を見物している隊員達がいた。
名前までは知らないが、十六番隊の若い二人組で、エースがいるのを知ってか知らずか、マルコの事をしきりに噂していた。
「マルコ隊長かっこいいよなあ。俺、この中でヤるんだったらあの人だな」
「人気だもんな。挑戦する奴が多いから選んでヤりたい放題だろ」
「でもこの間、五番隊の誰かが申し込んで断られたって話だぜ」
エースは隊長の自分が一隊員の何気ない会話に聞き耳を立てるのはどうかと思ったが、我慢出来ずに話に割り込んでしまった。
「マルコってそんなに人気なのか?」
十六番隊の二人はエースの存在に気づいていなかったようで、しまったという顔をした。
「いいんだ、俺ぁマルコにそんなこと言ったりしねぇから」
エースはそう言って、恐縮する二人を話す気分にさせると、今まで自分が知らなかったようなモビーディック号の夜事情を聞くことができた。
隊員達は歳が近いエースには話やすかったのか、色々なことを教えてくれた。
男所帯の船上では男色行為は珍しくないこと、モビーディック号の中では男としてマルコやイゾウが人気が高く、隊員達の憧れの存在であることなどを話した。特にイゾウは、抱きたいという不遜な輩も少なからずいて、その度挑戦した隊員は半殺しの目にあっているということだった。更に驚いたことにはサッチでさえもそういった感情で慕う隊員がいるらしいことだった。
「長く男所帯にいたら相手はこの中から見つけるしかない。憧れるだけなら自由だし、船の上では珍しくもないでしょう」
若い隊員の一人はそう言うと、階下の甲板で働くマルコに視線を戻した。
今までマルコに言い寄る人間がそんなにいたとは知る由もなかったので、エースは言いようがない複雑な気分になった。
五番隊の隊員は断られたようだが、長い船上生活の中でエース以外にも一夜を共にした相手が大勢いるかもしれない事実に、鉛を飲んだように胸がつかえるのを感じた。
急にマルコの一挙手一投足が浅ましく見え、忘れかけていた事後の感情まで思い出されて気が滅入った。

「エース隊長も興味がないなら気を付けて下さいね。マルコ隊長やイゾウ隊長とは別の意味で人気ですから」
エースの気持ちをよそに若い隊員はいたずらっぽく言うと、寒さに堪り兼ねたのか船内に戻っていった。
今の話の流れで、自分がどういう意味で人気なのかわからなくもなかったが、マルコとのこともあるのでいい気分はしなかった。
エースは自分自身が気付いていないだけかもしれないが、マルコやイゾウのように夜這いを挑戦されたことはなかったし、マルコ以外に面と向かって誘われた事もない。ただこれから部屋の鍵だけは忘れずに閉めてから寝ようと肝が冷える思いがした。

- Continue -
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近くにいても離れていてもマルコのことが頭から離れないエースでした。
自分が知らなかったマルコの夜事情を聞いて、今まで感じたことがない感情が芽生えてる感じでした。


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