CP/マルエー爆発してしまったエースと、最後までお世話させて頂いているサッチさんです。
[5回]
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「まったお前・・・、派手にやりやがって」
サッチは部屋の惨状を見回してこれ見よがしなため息をつくと、エースを引っ張り上げて立たせた。
エースはサッチに背中を摩られながら身体を曲げて膝に手をつき、咳き込みながら白ひげに謝った。
「ゴホッ・・・すまねぇ、火ぃ出しちまって。オヤジの大事な船を燃やしちまうとこだった・・・」
咳と嗚咽からくる涙目でそう訴えるエースに、白ひげは親父らしいしかめっ面で言い放った。
「安心しろ、モビーはお前なんぞに焼かれる程小さくはねぇ」
エースは白ひげなりの優しさにフッと笑うと、だよな、と独りごちた。
「何があったか聞かなくてもわかるってもんだ、情けねぇツラ晒しやがって」
と白ひげは言い、サッチにエースをさっさと風呂に連れていけと命令した。白ひげはサッチ以外の隊長たちにも部屋や任務に戻るよう促し、「片付いたんなら俺ぁ寝るぞ」と言ったので、この件についてのお咎めは明日へ持ち越しになった。
白ひげに言われるまま、エースはサッチに連れられて人のいない浴場に入った。
湯船にお湯が張られた暖かい浴場に入ると、あの男に触れられた痕跡を消すようにお湯を頭から被った。洗い場で石鹸を泡だてて、耳を特に念入りに洗うのを忘れなかった。
「エース、お前特に大丈夫そうだから良かったけどよ。あんな格下の筋肉馬鹿に何こまされてんだよ、情けねぇ」
サッチは先に湯船に浸かりながら、洗い場で身体を洗うエースを叱責した。
現場では、二番隊隊長がしでかした失態についてエースの立場を考え誰も触れなかったが、格下にいいように抑え込まれたのはエースが油断していたからに他ならない。隊を任される隊長としては恥ずべきことなのだ。
マルコがいない今、言いにくい説教をするのは自分の役目だとサッチは思っていた。
エースはちょっとの沈黙の後、ボソッと呟いた。
「・・・あいつ、俺の弱みを握ってやがったんだ」
エースは身体の泡を流して立ち上がると、サッチのいる湯船に自分も浸かった。気持ちが疲れているのと力が抜けるせいで、普段ならできなかったであろう打ち明け話をし始めた。
マルコと話すのが楽しくて毎晩のように部屋に通っていたこと、マルコとの過ち、そして十六番隊の男、最後はマルコとの情事をネタに脅迫してきたあの男の事まで、洗いざらいサッチに話した。
エースの口からもマルコとの事が語られたので、信じていないわけではなかったがより決定的な事実となった。
おそらく十六番隊の男がエースに過剰に接触していた話はマルコも知らないだろうとサッチは思った。
エースはマルコを避けていたことも認めたし、残るはマルコの事を最終的にどう感じているかだけが焦点だった。
サッチはエースへの想いを吐露したマルコが十六番隊の男に間違っても手出ししていないと確信していたが、それは今後二人の間で話し合う問題だと思った。
「・・・で、結局お前はマルコとこれからどうしたいんだ」
サッチは、エースに確信を突く質問をした。
「・・・俺は、あんなことされても、まだ気になるんだ。・・・頼りにしてぇし、セックスしたいとかはよくわかんねぇけど、マルコが他の奴とするのはなんか許せねぇ」
「それってよ、好きってこととは違うのか?」とサッチは言った。
「今言ったことをそっくりそのままマルコに言えばいいじゃねぇか。そうすりゃ丸く収まるぜ」
その言葉が癇に障ったのか、エースがサッチの脇腹を蹴ってきた。
「そんなこと言うかよ!調子乗らせるだけじゃねぇか」
エースは拗ねたように口を尖らせた。マルコは余程エースの信頼を失ったものだとサッチは思い可哀想になったが、その誤解を解くのはこれからのマルコの役目だ。
「まぁ、明日マルコが帰ってきたら、とにかく話し合え。そうじゃねぇと俺たちも大変なんだよ」
とサッチは言い、まだムスっとしているエースを湯船から引っ張り上げた。
- Continue ------------------------------------------------------
とりあえず完結させること優先で進めます!早く×××を書きたいです。次からまたマルコ登場させたいです。
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