CP/マルエーようやくマルコとご対面で、ドキドキのエースくんという感じの25話です。
後何話で終われるかなと思いつつ、別の駄作も作成中。
[6回]
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浴場から出たサッチは人目を気にして足早に隊長室がある方へ向かっていたが、エースがのろのろと歩いてくるので、急かさなければならなかった。
「おい、早く来いよ」
「サッチ、俺さ。良く考えたら部屋、自分で燃やしちまってる訳だし・・・、二番隊の大部屋に行くよ」
とエースが言い出した。
「やめとけ。今行ったら質問攻めの餌食になるぞ。面倒くせぇだろ?」
「でも・・・」
寝る部屋がない、と言いかけた時サッチが先に口を開いた。
「お前、今日マルコの部屋で寝ろ」
「え!?」
思いがけない提案に、エースはあからさまな反応をしてしまった。
「どうせマルコが帰ってくるのは明日の、早くて昼だ。明日朝に部屋を出ればバレやしないさ」
そういってサッチはエースを連れてマルコの部屋の前まで来ると、「合鍵預かってんだ」と言って鍵束の中からマルコの部屋の鍵を手繰り寄せた。
鍵穴をガチャッと重い音が鳴る方向に回し、ノブに手を掛けるが開かない。
「・・・おかしいな」
サッチは首を傾げながら、今度は逆周りに鍵を回すと、今度こそようやく開けることが出来た。
「ほら、エース・・・って」
部屋を開けると、そこには明らかに機嫌の悪いマルコが腕組みして立っていた。
「・・・最悪だぜ」
サッチの後ろでエースがボソッと聞こえるように呟いたので、余計にカチンときてこめかみに青筋を立てるマルコとの間に挟まれたサッチは、あたふたするしかなかった。
「あれ?お前、明日帰るんじゃなかったのかよ!?」
「うちの一番隊にはモビーで何かあったらすぐ伝えるように指示してあるんだよい」
マルコはそう言って、小電伝虫を取り出した。
「どっかの馬鹿が部屋吹き飛ばしたって聞いて急いで戻ったんだよい」
サッチは、あーあと言いそうな顔をしていて背後のエースに目を合わせた。どうやら話し合いのタイミングは一日前倒しになったらしい。
「俺が帰って来たのはそれだけじゃねぇよい。エース!お前に話があって戻ってきたんだ」
そういうマルコは、普段見ない程怒りを露わにしていて、サッチが二人の間にいなければエースを張り倒しているに違いないと思うような剣幕だった。
「・・・サッチ、エースを渡してくれねぇかよい」
「わ、渡すのは構わねぇけど、乱暴すんじゃねぇぞっ!それでなくてもエースは・・・」
「っいてててて!」
マルコはサッチの後ろにいたエースを力任せに引っ張ると、部屋に引きずり込みベッドに蹴り倒すと、扉を締めてサッチを追い出した。
「おい!マルコ!怪我させんじゃねぇぞ!」
締め出されたサッチはエースを思って扉に向かって叫んではみたが、怒り心頭のマルコに届いているかどうかはわからなかった。
部屋からはベッドが軋む音が微かに聞こえて、エースが後ずさっている様子を想像してしまう。
マルコに一応の忠告はした。エースの事が気が気ではなかったが、これ以上干渉するのは野暮だし、後はマルコに任せてその場を去るしか選択肢は無いようだった。
「さあて、おっさんは寂しく飲みにでもいくか・・・」
サッチは、部屋に上等な酒があったことを思い出し、報告がてらビスタの部屋に向かうことにした。
- Continue ------------------------------------------------------
もうそろそろむにゃむにゃに!
といいながらもうすぐ秋に。
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